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 2018年12月15日
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お金がなくて中古の軽を買った人は増税になって、ある程度お金があって新車を買った人は減税になる。

極論を言えば、貧乏人には増税し、富裕層には減税しているようなもの。

年数によって古い車は税金が高くなるっていうのもあるし。

自動車産業ばかり政府から優遇されてるような気がするんだけど、他の産業も活性化するようにしてほしい。

軽自動車増税は「弱い者いじめ」か

 軽自動車大手スズキの鈴木修会長兼社長が、軽自動車税の増税が検討されていることについて「弱い者イジメ」と発言したことが話題になっています。軽自動車税の増税については、やむを得ないとする意見がある一方、鈴木会長の発言を全面的に支持する意見など賛否両論が飛び交っています。

  軽自動車に対しては普通自動車よりも安い軽自動車税が適用されています。普通自動車はエンジンの排気量によって変わってきますが、2000ccの場合、年間3万9500円の税負担になります。これが排気量660cc以下の軽自動車になると、税額は年間7200円と大幅に安くなっています。軽自動車の税金が安いのは、まだ貧しい高度成長期に、庶民に広く自動車を普及させることが目的とされていたからです。

  日本が豊かになり、軽自動車の仕様も普通車と変わらなくなった今、これほど大きな差を付ける意味がなくなっているというのが政府の基本的な考え方です。

背景に「自動車取得税」の廃止

 また軽自動車に対する安価な税率が、米国製自動車の日本市場参入を阻んでいるとして、TPP交渉で問題視されているということも、税率見直しの根拠とされています。ただ、こうした理由はタテマエに過ぎないという意見も多く聞かれます。なぜなら、軽自動車税の増税が浮上した背景には、軽自動車も含む自動車を取得するときにかかる「自動車取得税」の廃止があるからです。

  自動車業界は消費税増税の影響を最小限に抑えるため、政府に対して自動車取得税の廃止を強く要望してきました。政府はこの意向を受ける形で、2015年の消費税10%増税にあわせて自動車取得税を廃止する方針を打ち出したのです。

  これに強く反発したのが地方自治体です。自動車取得税は地方税ですので、これが廃止されてしまうと年間2000億円の減収となります。税収の確保に苦しむ自治体にとっては受け入れがたいものでした。

軽のメーカーだけが損する形に

 その結果浮上してきたのが、同じく地方税である軽自動車税の増税というわけです。自動車業界の中では、軽自動車専業と言ってもよいスズキの立場はあまり強くありません。結果的に軽自動車のメーカーだけが損をする形となってしまいました。スズキ会長の弱い者イジメ発言の背景には、実はこのような事情が隠されています。

  確かに軽自動車は、零細自営業者や農家などが、コストを最小限にするために購入しているケースが多くあり、軽自動税の増税はこうした利用者の負担を増加させます。ただ、もともとは自動車取得税を減税するという方針を政府が受け入れたことが、軽自動車税増税の発端となっています。

  日本の財政が逼迫していることは誰もが承知していることですし、消費税が増税になっても何の支援も受けられない業界はたくさんあります。このような状況で、本当に自動車取得税を廃止する必要があるのか? このあたりから議論しなければ、本質的な問題解決は難しいでしょう。


 (大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

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